Project Story
- Project 03
- 京浜急行電鉄からの
マスターリース
管理運営を主導するため、ML兼PM契約にシフト。
当社ではこれまで、親会社である京浜急行電鉄の物件管理を、プロパティーマネジメント(PM)契約という形で取り扱ってきました。しかし2023年からは京浜急行電鉄の賃貸管理物件のほぼすべてについて、不動産を一括して賃借するマスターリース(ML)契約兼PM契約に変更しました。このML契約により、新たにオーナーとは業務パートナーとしての関係性のもと、当社がより主体的にビルの管理運営を進め、一方オーナーは包括的に所有ビル全体を捉えることで、業務の分担と効率化を図ります。

Project Talk!

ビルオーナーと、対等なパートナー同士へ。
F専務
当社には、京浜急行電鉄の施設を担当する技術部門が分社化したという経緯があります。このため、京急電鉄に代わって技術業務にも取り組んできました。つまりML契約の本格移行前から部分的にはML業務を行っていたのですが、これからは正式にML契約を軸にしていくため、京浜急行電鉄とともにより深く、グループや沿線の開発に携わっていければと思います。

高架下から複合ビルまで、多種多様な物件を担当。
F専務
高架下の1坪程度の倉庫から、延べ床面積18万㎡もの複合ビルまで多種多様な物件を取り扱っています。特に高架下物件については、一般のPM会社では取り扱わない特殊な案件ではないでしょうか。公共性の高い鉄道施設の一部でもあるだけに、相応の対応が必要。たとえば電車の運行に支障が出ないよう、煙が出るような業態のテナントは入居できません。また鉄道の高架は屋根ではないため、雨が落ちてきても大丈夫なように施工するなどの配慮も必要になります。
T部長
立地エリアによっては、エリアマネジメント物件として活用される場合もありますね。これは利益追求でなく、街づくりに協力する形で高架下を活用していくというものです。この場合は行政機関とのやり取りも発生します。実績としては、アートに親しめる街づくりのためにカフェやアトリエを運営するためのご入居者があります。また起業する際の拠点として活用されたことも。高架下の活用とテナント選定などを通し、その地域のイメージを変えていくことにも取り組んでいます。

PMの形が大きく変化し、当社の信頼向上が重要に。
F専務
建設会社などグループ外の会社からはこれまで、信用のある京浜急行電鉄からの発注ということで融通をきかせていただく面もありました。しかし現在ではML契約により、当社が前面に出ることで以前と状況が変わってきています。大きな工事ではまだまだ当社のネームバリューでは力不足な場合もあり、当社の実績と信頼性をさらに高めていく必要があると感じています。逆に小さな工事では当社が前に出ることで進めやすくなった面も少なくありません。特にフレキシブルかつスピーディーに工事を発注できるメリットは大きいと思います。
T部長
京浜急行電鉄が所有者であることで物件を選ばれるテナントもいらっしゃいますので、オーナーに代わって前面に出て行く当社自身が信頼を得られるよう、さらに努力する必要がありますね。最近では多方面からの転職者が入ってきたことや京急グループ以外との仕事も増えたことで他社のノウハウが蓄積され、私たちの提案に興味を持っていただくことも多くなっていると感じます。
お客様に喜ばれることで、大きな達成感が味わえる。
F専務
ビルの運営管理は、突き詰めればオーナー、テナント、メンテナンス会社、施工会社などの間に立って調整を図っていく仕事です。自ら人と人との間に飛び込んで調整していくことは、簡単な仕事ではありません。ただ自分の目標やそれ以上の成果が出せたり、結果的にだれかに喜ばれて労いの声を掛けられたりした場合には、大きな満足感や達成感が味わえます。もちろん報われる場合だけでなく逆の展開もありますが、それもまた今後の成長につながる大きな経験になるでしょう。

後輩へのメッセージ
F専務
当社での仕事を経験すれば、PM業務の専門知識やノウハウを習得することができるでしょう。それだけでなく、当社では必要な資格や関連するライセンスなどについても積極的な取得を支援しています。講習会や展示会などに参加し、知見の向上を図ることも同様です。しかしオーナーやテナントの間に入り、人と人との間を取り持つ業務を通じて得られるスキルこそが最も重要な力なのではないかと思います。この能力は将来にわたってさまざまな場面で生かされ、成長や自信につながるものだと言えるでしょう。
T部長
当社ではPM業務の知識が身に付くことに加え、鉄道会社がオーナーということでもたらされるメリットも少なくありません。そのひとつとして、街づくりにも関われることが挙げられるでしょう。また業界的に賃貸事業も変革期を迎えていることから、会社の成長には新たな感覚による事業提案なども必要かと感じています。たとえばシェアオフィスやシェアサイクルなどにみられるシェアリングサービスを取り入れる等みずみずしい発想で、新しい事業を提案できる若手が育っていってほしいと考えています。
